富山の伝統工芸には、越中和紙(八尾紙)・富山木象嵌・富山獅子頭・富山土人形・神通窯・富山ガラス工芸(富山市立富山ガラス造形研究所)などがある。なかでも、越中和紙は1988年に国の伝統的工芸品に指定されている。越中和紙という呼び名は、富山県にある3つの生産地(八尾和紙(八尾町)・五箇和紙(平村)・蛭谷和紙(朝日町))で作られる和紙の総称である。美術工芸品だけでなく、日常生活品として、便箋や封筒、障子紙、半紙、提灯紙、染紙などがあり、上質な仕上げと美しさで人気がある。また、富山土人形は、土で作った素焼きの人形であり、富山県の伝統工芸玩具である。約150年前、名古屋の陶器職人である広瀬秀信が、富山藩主だった前田利保に土人形の「天神臥牛」を献上したのが始まりと伝えられている。その後、縁起物や雛節句などの行事にちなんだものが多くつくられた。また、子供の玩具としても知られている。代表的な物として、学問の神様の「天神様」、桃の節句の「抱き雛」がある。戦前まで数軒を数えた土人形師も、現在では渡辺信秀氏1人しかおらず、一般市民から人形作りの受講生を募り「富山土人形伝承会」を結成して、後継者育成に励んでいる。